フィッティングって大切Fitting
フィッティングとは
メガネ五大要素のひとつ、フィッティングとはメガネを正しい位置で掛けるためにお顔に合わせることです。正しくフィッティングされていないメガネはユルユルでズリ落ちたりして見た目が悪いだけでなく、きつくて痛みを感じたり、疲れたり、頭痛・肩こりなど、勉強や仕事の効率を低下させてしまうこともあります。
お選びいただいたフレームは、レンズを入れる前にお客様の顔に合わせてフィッティングするのが基本です。鼻の角度・耳の掛り具合・目とレンズの距離・前傾角など…しっかり調整をいたします。その上でお客様の目の通る位置(アイポイント)に正しくレンズの焦点がいくように加工をいたします。正しい位置で掛けないと光学的にも重大な影響が発生いたします。先ずビフォアフィッティングがとても重要です。また、加工を終えお渡しの時にも再度掛け具合のチェックをいたします。度の入ったレンズを入れた事により生じたカーブのずれなどを調整し、見え心地をチェックした上でお渡しいたします。もちろんお渡し後の定期的なフィッティングも大切です!
掛けはずしなどで少しずつゆがんだりしたフレームをきちんと調整いたします。曲がったり、広がったりしたまま掛けていると見づらいだけでなく眼精疲労などの原因になることもあるんです。
お客様に快適な掛け心地のメガネを掛けていただくため、当店では、日頃から技術の向上に努めております。こまめな点検が快適なメガネ生活には重要です。
メガネの掛け具合調整は購入店で行うのが基本ですが、お困りの時は技術料を頂いたうえで調整させて頂きます。フレームの形状や状態によりお断りする場合もございます。
当店でお作りいただいたメガネのフィッティングは無料です。(パーツ交換や外注修理は有料になります)
工具は大切な相棒
お一人お一人の顔にベストフィットするようにフィッティングするには様々な工具を使います。
- 何十種類もの専用工具があり、メガネの形状や材質調整する箇所によりそれぞれを適切に使い分けます。どのくらいの力加減でどのように調整していくかフィッターの腕の見せ所です。
- フレームの種類も様々お客様のお顔の形状も様々です。お一人お一人にしっかりとフィッティングしていくには日々の技術力アップの為の努力はかかせません。
フィッティングの手順~メガネの掛け具合の調整~
正しい位置でメガネを掛けるにはフィッティングが大切です。レンズを入れる前にフィッテイングをする事が大原則です。
- 目線の高さを同じにし、向かい合って座ります。フレームを顔に掛けます。
- 掛ける位置を決めます。お客様の顔のどの位置にあればベストなのか?正面・上・横などから見てベストポイントを決めます。大事なのは全体から部分を見ることです。先ず、テンプルの開き具合と顔幅を見て、少し緩めに合わせておきます。
- 最初はフロント側の調整をします。正面から見て、鼻パッドの位置・フロントの高さ・左右のバランス・水平を合わせます。上から見て、頂点間距離・左右のバランス・そり角を合わせます。横からも見て、前傾角・頂点間距離を合わせます。
- 次にテンプル側の調整をします。テンプルの開き、テンプルの形状を顔の幅や側面の形状にあわせます。耳の後ろの形状にあわせてモダンを曲げて調整していきます。
【仕上げ】全体を見たり、細かな部分を見たり、メガネを掛けたり外したりしながら、客様のベストな状態の掛け心地に仕上げていきます。
フィッティングの手順の大まかな流れは上記のようになっております。しかし、その時の状態により、前後したりもします。妥協せず細かくあわせていきます。
鼻パッドフィッティング
鼻の当たる位置を見極め、その位置まで鼻パッドを的確に移動させていきます。
フィッティングポイント以外の場所では神経や血管が多くあり不適です。
実際の顔ですと、●の辺りにパッドをあわせるのがいいでしょう。
- フィッティングされていないメガネを掛けてみるとパッドの位置が上過ぎで●印と一致していません。メガネが少し上過ぎですね。
- ●の辺りにパッドをあわせるとメガネが下過ぎです。
- 左のパッドだけ下げるとこんな感じです。
- 両パッドを下げて掛けるとこんな感じです。メガネの位置も丁度良く安定した掛け心地になりました。
クリングスもパッドも形状は様々です。専用工具を使って、パッドを上下させたり、開きや角度をチェックしながらベストポイントにあわせていきます。
角膜頂点間距離の調整
鼻パッドの調整をしながら、目とレンズの距離を適正にあわせていきます。基本は12ミリですが、お客様それぞれの使い心地にあわせて頂点間距離を決めます。
- 目から離した距離
- 目に近い距離
- ※頂点間距離の左右バランスの確認スタンディングの姿勢で頂点間距離の左右のバランスを見ます。
- 左右のバランスが揃って理想の形
- 左目の距離が短く、右目の距離が長い
- 左目の距離が長く、右目の距離が短い
前傾角の調整
- 前傾角の調整が大切なのは、視線とレンズの光軸をそろえるためです。遠用常用メガネで5~10度、近用メガネで15度程度が目安です。顔側方より観察します。
- 前傾角がほとんどない状態
- 遠用常用メガネならこのくらいの角度がほしいところです。近用メガネなら更に角度をつけていきます。
フロントの水平位置と高さ
正面から見て、メガネが曲がっていないかチェックします。曲がっていたらバランスよくあわせていきます。水平にならない理由は
・左右で耳の高さが違う
・メガネが曲がっている。
・左右の目やマユの高さが違う
などが考えられます。
- 水平調整前水平をきちんとあわせてからレンズを加工しないと焦点が合わないメガネになってしまいます。
※分かりやすくするため、かなり大げさにしております。 - 水平調整後
- メガネの位置が上がりすぎたり(左)、下がりすぎたり(右)しないように正しい位置にあわせます。
そり角
- 視線とレンズの光軸をあわせるためにフロントの角度を調整します。
- 遠方視の視線に合わせると、そり角は180度。近方視の視線は遠方より内側に寄りますので170度位が理想です。しかし美観上の事もあるので、遠用は180度かやや外ぞり、近用は180度に調整します。
テンプルフィッティング
- お顔の形は十人十色。横幅や側面形状は人それぞれ違います。
- テンプルの開きや形状を、専用工具を使ってあわせていきます。ゆるすぎるとズリ落ちますし、きついと痛くなったり、前方へせり出してきてしまいます。
- 例えば、この状態がお顔に合っているとすると。
- この状態は合わせる前で、鼻パッドが高過ぎで両テンプルのコメカミあたりはキツイ感じ、耳にあたる部分はユルユルです。
- これは右テンプル(向かって左)が外側に開き過ぎです。
- これは右テンプルが真ん中から湾曲しています。
- こちらは逆に右テンプルが内側に入り込み過ぎですね。
- 左右テンプルの高さが違っています。耳の高さが左右水平と仮定して、これを掛けると右が下がって左が上がってしまいます。
モダンフィッティング
モダンを耳介の付け根に沿ってあわせていきます。
- 調整前
- ゆるやかな曲げだとズレ落ちやすい
- 抱え込み角や形状を耳の後ろの形にあわせていきます。
- 調整後
- 屈折点をハッキリとつける